インプラントと口臭の関係
- 2025年2月14日
- インプラント
(結論)インプラント治療後の口臭に関して、適切なケアを行うことで予防や軽減が可能とされています。ただし、インプラント周囲炎などの病状が進行した場合、口臭の原因となることがあります。日常的な口腔ケアや歯科医院での定期的なメンテナンスが推奨されます。例外的にインプラント周囲炎になり膿が出ている状況を放置しているようなら話は別です。口臭は口腔内の適切なクリーニングによって防げる場合がほとんどです。インプラント治療後、一時的に口腔内環境が変化し、口臭を感じることがあるかもしれません。ただし、日々のブラッシングや歯科検診を継続することで、予防が期待できます。気になる場合は専門の歯科医にご相談ください。横浜市にございます当院でも口臭に関するご相談は承っております。
そもそも口臭の原因とは?
- プラーク(歯、舌)による可能性
- 唾液量が少ないなどの可能性
この2つが原因です。
口臭の主な原因は、口腔内の清掃不足により蓄積したプラークや唾液量の減少とされています。口臭は適切なケアを続けることで抑制が期待されます。(ちなみに鼻から臭う、胃から臭うということは概ね健康な方である限りまず考えられないと思っていただいて結構です。また昨今、臭い玉(膿栓)が口臭の原因であるという情報が言われていますがその影響も小さいと思ってください。)
インプラント手術後の口臭
インプラント手術の後、口臭が一時的に発生することがあります。これは、手術によって組織が傷つき、治癒過程で細菌が集まりやすくなることや出血のためです。また手術後は特に、疼痛のために適切な口腔衛生を維持することが難しい場合があり、細菌の繁殖が進むことで口臭が生じることがあります。手術後の数日間は感染リスクが高まるため、抗生物質の使用や適切な口腔ケアが重要です。しかし数日の話ですのであまり悩みとして訴えられる方は多くないと考えます。
インプラント周囲炎と口臭
インプラント治療の成功は、インプラントと顎骨の結合(オッセオインテグレーション)が健全に維持されることが前提です。しかし、インプラント周囲炎という病状が発生すると、話は別です。出血や排膿が見られると口臭が生じることがあります。この病状は歯周病に類似しており、細菌の塊であるプラークが歯肉の周りに蓄積し、炎症を引き起こします。定期的なメンテナンスに通院していれば適切なケアが行われない場合、インプラント周囲炎が進行し、膿が発生することがあり、これが口臭の原因になります。また、口腔内に食べ物の残りやプラークが溜まることで、硫化水素を中心とする揮発性硫黄化合物が生成され、これが強い口臭を引き起こすこともあります。
インプラントのケア不足による口臭
インプラントを装着している患者は、天然の歯と同様に、定期的な口腔ケアが必要です。インプラントは虫歯にはならないものの、インプラント周囲の歯肉や骨に問題が生じる可能性はあります。インプラント周囲にプラークが蓄積すると、インプラント周囲炎や歯周病が発生し、これが口臭の原因となります。特に、インプラントを清掃するためには、専用のデンタルフロスやインターデンタルブラシなどを使用し、細かい部分まで丁寧に清掃する必要があります。歯科医師による定期的なメンテナンスも重要であり、専門的なクリーニングを受けることで口臭を予防することができます。
インプラントによる口腔内の変化と口臭
インプラントを装着することで、口腔内の環境が変わることがあります。特に、インプラント周囲の歯肉は天然の歯に比べてデリケートで、炎症を起こしやすい場合があります。また、インプラントの形状や位置により、食べ物が詰まりやすくなったり、清掃が難しくなることもあります。このような場合、食べ物の残りや細菌が蓄積しやすくなり、これが口臭の原因となる可能性があります。根本的に歯の本数が増えるわけですから、プラークがつきやすい環境になったわけですね。
インプラントの材質と口臭
インプラントは主にチタンで作られており、材質自体が口臭の原因となることはありません。また人工歯のジルコニアも同様です。しかし、インプラントの上部に装着される人工歯(クラウン)やアバットメントの材質や仕上げが適切でない場合、食べ物のカスが残りやすくなり、それが口臭を引き起こす原因となることがあります。例えば、アクセスホールのレジンが取れて穴が開くとそこに食べかすやプラークが溜まりやすくなります。またクラウンと歯茎の間に隙間があると、そこに細菌が溜まりやすくなり、口臭が発生しやすくなります。
口腔乾燥症とインプラント
口腔乾燥症(ドライマウス)は、唾液の分泌量が減少する状態です。一般的には高齢者の疾患です。1日1.5L分泌している唾液の量は、半分以下になることもあります。唾液は口腔内の清掃を助け、細菌の繁殖を抑える役割を果たしていますが、ドライマウスになるとその機能が低下し、細菌が増殖しやすくなります。唾液は口臭を抑えるために必須の条件なのです。特にインプラントを装着しているからと言ってドライマウスになりやすいと言うことはありません。ドライマウスは年齢や薬の副作用によって引き起こされることが多く、高齢者に発症しやすい症状です。
口臭予防のためのインプラントケア
インプラント治療後、口臭を予防するためには、次のような対策が有効です。
- 定期的なブラッシングとフロッシング: インプラント周囲の歯茎を清潔に保つことが大切です。特に、インプラントの周囲にプラークが蓄積しないよう、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して清掃しましょう。
- 定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニング(PMTC): 定期的に歯科衛生士によるクリーニングを受けることで、インプラント周囲の健康を維持し、口臭の原因となる細菌の繁殖を防ぐことができます。歯ブラシの指導も受けられます。
- 食事に注意: 粘着性のある食品や糖分の多い食品は、インプラント周囲に残りやすく、細菌の繁殖を促進することがあります。食後の歯磨きやうがいを心がけましょう。
- 口腔乾燥症の管理: ドライマウスの症状がある場合は、唾液の分泌を促進するためのガムや飴を使用したり、保湿スプレーなどを利用することが有効です。
- 舌苔の除去:インプラントとは関係ありませんが舌の上に白い塊が乗っている方は、その量が多くなると口臭が強くなります。舌苔の清掃は馴染みのない方が多いので、歯科医院で聞いてみましょう。口臭予防のためには、口腔内の清潔を保つことが重要です。プラークの蓄積を防ぎ、適切なブラッシングやフロッシングを行うことでリスクを減らすことができます。歯科医師や歯科衛生士にお問い合わせください。
横浜近郊でインプラントをご検討されている方、横浜歯友会 戸塚駅前内藤歯科へご相談ください。セカンドオピニオンも受け付けております。インプラントの治療期間と流れについてはこちらをご覧ください。