治療期間と流れ
治療期間と流れ
インプラントの治療期間や流れについて、こちらの動画をご視聴いただければご理解いただけると思います。
通院回数 | 内容 |
---|---|
(1回目)インプラント相談 | CT撮影、計画立案、お見積もり。 |
(2回目)PCR検査、契約 | 口腔内の細菌を調べるための検査を行います。よろしければ契約をします。 |
(3回目)インプラント手術 | 全額お支払いを手術前までに済ませていただきます。 |
(4回目)消毒(手術の翌日) | 5分くらいで終わります。※小さな症例は省略 |
(5回目)抜糸(手術から3週間後) | 5分くらいで終わります。※フラップレス手術の方は省略 |
(6回目)定着確認と口腔内スキャン(手術から3か月後) | インプラントの定着検査をして、型取りをします。 |
(7回目)試し歯set(手術から3か月後) | 使用感を試すためのプラスチックの歯を入れます。 |
(8回目)ジルコニア人工歯set(手術から3か月半後) | これで終了です。後は半年検診の流れになります。 |
上の表はあくまでも目安です。症例が大きくなれば回数もかかりますし、時間もかかります。特に上の前歯が入ると回数がかかる傾向があります。仮歯を入れたりなどの追加オプションがあるとさらにかかります。順調に進めば、小さい症例の場合は3ヶ月+1週間(通院回数:5〜6回)、大きい症例の場合には半年以上かかります。
インプラント相談は、以下の6項目を無料で行っております。セカンドオピニオンでもお気軽にいらっしゃってください。メールでのご相談も承っております。インプラントの良い点ばかりでなく、リスクもきちんと説明します。まず、はじめにご挨拶から、そして患者様のお話をゆっくりお伺いします。ただ、2回目以降のインプラント相談は30分 6,600円(税込)となります。
※患者様のお口の状態によって歯周病の検査で、別途費用が発生する可能性がございます。
①問診
まずはお話をゆっくり伺います。当院にいらっしゃった経緯、ご希望の治療ビジョン、社会的な予定、通院環境など。
②ドクターによる診断
口腔内を直接診察し、歯の揺れや歯茎の腫れ、治療の状況などを判断、細菌の顕微鏡検査を行います。
③持病がある方は健康診断の表をお持ちいただきます
インプラントができるかどうか判断いたします。持病がある方は健康診断の結果表やお薬手帳をお持ちください。
④パノラマレントゲン
2次元のレントゲンを撮影します。大まかに口腔内を把握するのに使います。
⑤CTレントゲン
3次元のレントゲンを撮影します。インプラント埋入予定位置の骨量を立体的に表示し、ストローマンインプラントを入れた時のシミュレーションをします。
⑥治療計画、見積もり、治療期間
ここで半分の方は、インプラントをしません。他の治療法の計画をお話します。残りの半分の方には、インプラントのお話をします。見積もりや治療期間、回数、インプラントのリスクの説明をします。
患者さんのお口からプラークを採取して院内のPCR検査機(オルコア)で検査し診断いたします。費用は16,500円(税込)となります。
契約数日、ゆっくりお考えください。インプラントをするご意思が固まりましたら、契約書にサインをしてください。手術日を予約してください。治療費の入金は手術前までになります。
消毒翌日に来ていただいて、経過観察と、消毒をいたします。
※小さい症例は、消毒を省略しております。
抜糸手術から3週間後、抜糸をします。5分程度で済みます。痛くはありません。フラップレス手術の方は縫合をしませんので抜糸もありません。
この先2か月来院はありません。
インテグレーション手術から3か月後、インテグレーション(インプラントと骨が結合すること)が十分かどうか判断します。実は歯科医にとって一番緊張する最も大切な瞬間です。当院ではオステルという共振周波数分析器を使って、音叉の原理で定着強度を数値表示して確認します。このときの定着率は95%くらいです。ということは5%、つまり20本に1本くらいは定着しないということになります。なぜ定着しないのかというと、インプラントが手術で入れた場所から少しズレてしまったなどが考えられます。定着しなかった場合はもう一回打ち直しを行います。すぐに入れられる場合と数ヶ月待ってから入れる場合があり、骨の状態によって再度治療計画を立て直します。追加の費用は発生しませんが、予定より完成が3ヶ月から半年以上遅れます。
オステル(スウェーデン製)
磁気パルスでインテグレーションを数値測定する最も有名な機器です。直接インプラントに検査器具を接触させないため、余分な衝撃を与えません。インテグレーションはインプラント治療の要です。従来のように、レントゲンや歯科医の勘と経験に頼るだけではなく、デジタルデータも参考にします。
口腔内デジタルスキャナーを使用して、プラスチックで試し歯(トライ)を作製します。当院ではシリコンによる型取りを行なっておりません。デジタルの方が精度が高く製作できるからです。型取りしたデータを、診療室内の院内技工所に持っていき、設計用のパソコンに移します。 当院専属の歯科技工士が、パソコン上で設計を行います。 工程ごとにドクターがチェックを入れていきます。
前歯や多数歯欠損などは、一回で完成品を作らない場合があります。まずはPMMAというプラスチックで試しの歯(トライアルティース)なのでトライと呼んでいます。このトライをお口の中にいれて、しばらく使ってもらい患者さんから感想を聞いて、修正点があれば2代目トライ、3代目トライを製作して試行錯誤、改善を行います。当院では診療室内に技工室があり専属の歯科技工士がいますので、人工歯製作を柔軟にスピーディーに行うことができます。そのうち患者さんが納得いく形態のトライが出来上がったら、その形を寸分違わず本番のジルコニア人工歯に コンピューターが変換してくれます。
当院では全てジルコニア製の人工歯です。簡単な場合は1発完成もありますし、難しい場合はトライを経て経てからジルコニア製の人工歯を製作する場合もありますが、型取りをしてから早ければ翌日には人工歯が入ります。
当院での10年保証書とストローマン社のインプラント製品証明書をお渡しします。お引越し先で他の医院に転院する時は、インプラントの製品番号などの情報が記入された証明書があるとスムーズです。
半年に1度(治療の多い方は4か月に1度)インプラントの状況確認や噛み合わせの様子、骨の検査などを診察します。合わせてお口の中を全体的にクリーニングいたします。クリーニングをしないと、インプラント周囲炎の確率が高まるため、インプラントの持ちが悪くなることがわかっています。1回数千円程度かかります。
こちらの動画をご視聴いただければ、定着確認(インテグレーション)についてご理解いただけます。
①
インプラントの手術で、骨にドリルで穴を開けます。
②
インプラントを入れて、上にキャップを閉めます。これで手術は終わりです。
③
仮歯を付けます。これから3か月待ちます。この時点ではまだ、骨とインプラントは全くくっついていません。この症例の場合は仮歯を両端の歯に接着剤でつけているだけで、インプラントと仮歯は接続していません。仮歯は付けられる場合とそうでない場合があります。
④
3か月待っている間、骨がインプラントをだんだん包んでいきます。 3か月間、インプラントをなるべく揺らしてはいけません。インプラントを揺らすと、インプラントが異物だということが骨にバレてしまうからです。静かに骨に包まれるのを信じて待ちましょう。ですから、インプラントを入れてすぐに、人工歯を直接結合させる治療法はインテグレーションを阻害する可能性が高くなるわけです。即時荷重と言うのですが、当院ではリスクがあると考えているので行っておりません。
⑤
3か月後、骨がインプラントを包み込み、骨結合が無事完了しました。インプラントと骨との結合をインテグレーションと言います。
⑥
手術から3か月後、インテグレーションの判断をする治療行程です。
⑦
インテグレーションの測定器でオステルという機器です。オステルは磁気パルスを発生させインプラントを共鳴させて、その振動数を測定することにより、インテグレーションを客観的に数値化することができる機器です。この数値によりインテグレーションの合否を決定します。上顎なら65点以上、下顎なら70点以上で合格をつけるのが基本的な基準となります。達しない場合はしばらく寝かせておく場合もあります。
1850本中55本がインテグレーション獲得に失敗しました。確率は3%くらいです。(H24年12月にストローマンインプラントに変更してからH31年2月まで)患者様には「30本打つと、3か月後には1本くっついていない確率です。」と説明しています。残念ながら、手術で埋入したインプラント全てがインテグレーションを獲得するわけではありません。
推測の範囲ですが、手術後早い段階で、インプラントを入れた位置が微小にずれてしまうのが原因と思っています。具体的には舌や指で動かしてしまう。入れ歯がインプラントに当たってしまうなど。手術時のドリルの回転スピードが速いと、骨が火傷してインテグレーションしないとも言われていますが、私はドリルスピードを推奨回転数の半分以下でゆっくりやるのと、こまめに生理食塩水で冷却しながら行っているので、火傷のエラーはないのではないかと思っています。細菌の感染とか喫煙とか言われたりもしますが、個人的には違う気もします。
もちろん費用の追加はありません。すぐに打てる場合もあれば、数か月待ってようやく打てる場合もあります。どちらになるかはケースバイケースで患者様が選択できるわけではありません。再手術のインテグレーション確率も97%です。