歯科治療ばかりしていたら歯がなくなりますよ|インプラント歯科の横浜歯友会 戸塚駅前内藤歯科

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歯科治療ばかりしていたら歯がなくなりますよ|インプラント歯科の横浜歯友会 戸塚駅前内藤歯科

歯科治療ばかりしていたら歯がなくなりますよ

歯の治療今回は大人の方で歯の弱い方に歯の検診や予防をお勧めするお話を記載していきたいと思います。
今まで、歯の治療をたくさん受けてき方。若い頃、削っては詰めるという治療からはじまり、神経をとる治療になり、抜歯になり入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療法で、腕が良い歯医者をあちこち探し回り、治療を受けてきたという方。
年をとったら自分の歯では食事ができなくなっているんじゃないかと思っている方。このような方に特にお話をしたいと思います。
結論から言うと、今からでもいいから歯の検診や予防をしましょう。というお話です。最後までご覧いただければ、あなたの歯科の常識が変わることになると思います。
さあ、本題に入ります。私が20年歯医者をやっていて思うのは、削って詰める歯科治療は歯に悪いということです。自分や親族にはこのような治療をしたくないと思い、歯の検診や予防をしているのですが、そのおかげで削って詰める治療をする機会はかなり少なく済んでいます。削って詰めるという歯科治療が日本人の常識となったのは、実は60年くらい前からです。昭和36年1961年の国民皆保険制度、今でも病院にかかると保険証を出すと思いますが、その制度の発足からです。当時、日本人の歯は現在と違い、虫歯がとても多く、また裕福でなかったため、治療費の多くを国が負担してくれる日本独自の保険制度による歯科治療は国民に大歓迎されました。昭和40、50年代「虫歯の洪水」と呼ばれた時期であり、歯医者1人で1日50人以上診療していたというスタイルが一般的でした。1日50人というのは、1時間で6人を見る計算になり、1人あたり10分で麻酔をかけて、削って、全ての治療を終了させなくてはいけないため、患者さんの話などは聞いている時間は一切ありません。治療中痛くて手を上げても「我慢しろ!」と歯医者さんに一喝されたと、当時の歯医者は怖かったという話は年配の方からよく聞きます。しかし、虫歯の洪水の時代、昭和40年代50年代はそれでもニーズがあり、決していいと言えないのですが当時はそういう時代だったんです。おかげで、当時の日本人の口腔内の状況は、それ以前と比べるとだいぶ良くなったわけです。ですから国民皆保険による歯科治療は大成功だったと評価していいと私は思います。

しかし、問題はここからです。虫歯の洪水の時代から半世紀近くが経過し、ずいぶんと時代が変わりました。日本人は豊かになり、歯医者の数は多くなり、歯科治療の研究も進み、道具も材料も良くなった。子供の虫歯は減り、80歳での歯の残存数は多くなりました。一見、いいこと尽くめのように思えますが、残念なのは、今でも虫歯の洪水の時代に作られた常識が色濃く残ってしまっているということです。現在でもその常識にかなり縛られてしまっていて、時代が変わっても新しい概念に移行することができないということです。これは歯科分野だけではなく日本の多くの産業においての同じようなことが言えます。高度成長期の成功体験、常識から抜け出せない日本人の気質も影響していると私は考えます。そのため、日本の歯科医療は世界から見るとガラパゴス化していると言われています。
例えば、わかりやすい例から申し上げると、銀歯というのは、ほぼ日本独自だということをみなさんご存じでしょうか?銀歯は今でも歯科治療でよく用いられていますよね。あなたの歯にもついているんじゃないでしょうか?しかしこの銀歯、外国の方が見たら「なぜ日本人はこんな目立つ色のものをわざわざ歯に入れるんだい?」と言って不思議に思われます。欧米人はセラミックスやジルコニアやレジンといった白い材料で歯を治すのが一般的だからです。しかし、この銀歯問題は見た目だけであり、大した問題ではありません。銀歯は目立つだけで、医学的にセラミックスやジルコニアから大きく劣る材質とは言えないからです。

私の考える最も深刻な歯科医療のガラパゴス化というのは、歯科医療というのは削って詰める治療であるという常識が、あまりにも深く日本人に染み付き過ぎてしまっていることです。患者さんもそうですが、我々、歯科医療に携わる者も例外ではありません。この常識は虫歯の洪水の時代に確立され受け継がれてきた常識であり、日本のその時代では確かに成功をおさめました。しかし、もういい加減、令和の時代は「削って詰める」という常識をアップデートして良い時期かと思います。
欧米に目を向けてみましょう。欧米では歯科治療が日本のように安くないために、また、歯はステータスの一つという概念もあり、歯の検診や予防が広く普及しました。そのため、神経をとる治療も少なく、歯も日本人より多く残っています。歯の予防とは具体的に簡潔に申し上げれば、「虫歯や歯周病になる前にプラークや歯石をとってしまうこと」です。欧米人は日頃のセルフケアを日本人より熱心にしているのですが、それ以外にも数ヶ月に一度、痛くもないのに定期的に歯医者に行ってプラークや歯石除去のクリーニングを受けて、さらに歯科衛生士に歯ブラシ指導も受けます。唾液検査やポケット検査、細菌検査なども行う場合もあります。担当の歯科衛生士がいて、数年間のお口の中の変化を診てくれます。歯医者による担当医制ではなく、担当歯科衛生士という言葉は日本では馴染みが薄いかもしれません。それはまるで日本人が床屋や美容院に定期的に行くような感じです。

「プラーク、歯石がなければ虫歯、歯周病は発症しません。プラークがあって初めて虫歯や歯周病になります。」このことをご存じない方が非常に多いので覚えておいてください。もう一度言います。プラークがあるから、虫歯や歯周病になるんです。ちなみに、プラークが石灰化して硬くなったものを歯石と言いますが、この記事ではプラークと歯石は同じようなものとして説明していきます。
私はよく患者さんにプラークと歯は、シロアリと家の関係に似ていると例え話をします。あなたの家がシロアリに食べられて天井から雨漏りしたとしましょう。あなたはどうしますか?まず大工さんを呼んで天井を修理してもらうでしょうか?いやそれより先にシロアリの駆除業者を呼んで、シロアリを駆除べきですよね?原因を取り除く方が修理よりも先ですよね?シロアリの時にはそういう正しい判断ができるのですが、しかし、なぜか歯の場合、治療だけやって、原因であるプラークは放置してしまうんです。あなたも歯の治療をした後、歯の磨き方を見直して変えてみたでしょうか?虫歯や歯周病の原因はプラークです。なぜプラークを放っておくのでしょうか?理由は2つあります。
①プラークの中の細菌が肉眼で見えないからです。シロアリは肉眼で見えるから気持ち悪い!ってことで駆除することに積極的になるのかなと考えています。しかし3000倍の顕微鏡で見るとプラークの中もこんな感じ。さらに数で言ったらシロアリの比ではありません。

プラーク口腔内細菌

この白いプラークを見たら、あなたの歯にもこのような細菌がいるんだと思い出してくださいね。
②先ほども申し上げた虫歯の洪水時代に作られた常識がいまだに色濃く残っているからです。歯は虫歯ができてから治療するもの、削って治すもの。腕の良い歯科医師が最新の設備や材料で治療をすると、歯は長持ちすると言った前時代的な思想から抜け出せないでいるというわけです。
歯についているこれがプラークとは知らない人もいますし、プラークの中にたくさんの細菌がいると知らない人が多いのです。唇をめくってプラークがついているか確認する意識も低い方が日本人の場合ほとんどです。そういう本質的なことを本気で説明しない歯科医師側の意識にも問題があるんじゃないかと思っています。その割に、ブリッジ、インプラント、入れ歯だとか治療法はよく知ってご存じなわけです。歯科医師が、プラークを除去して歯を守ろうということを患者さんに教えずに、歯がダメになってからの治療法ばかりを説明する、現在の歯科医療。なにかおかしいと思いませんか?本来は歳を取ってから自分の歯で食事ができるように、歯科医療があるべきだと思うのです。シロアリを駆除するように、プラークを取りに歯科医院に来ませんか?プラークや歯石に対してシロアリと同じような危機感を持ってください。

口腔内細菌

プラークの中にはこのような細菌がぎっしりと詰まっているのです。シロアリをプラークを駆除してくれるのは歯科衛生士という国家資格を持った人たちです。
あなたの歯を守るのは実は歯医者ではありません。歯科衛生士なんです。歯医者ができるのは削って詰める治療です、放置しておくよりも多少はマシだという程度のことしかできません。歯医者の治療をしょっちゅう受けているようでは、歳をとって自分の歯で噛めなくなります。私は歯ブラシでは歯は磨ききれないと考えています。プラーク染色液で赤く染めて見たらわかります。歯は自己流で一日30分やっても磨ききれません。プラークは甘くありません。細菌の増殖スピードは1時間に2 倍。半日で数千倍になる計算です。プラークはシロアリよりよほど強敵だと思います。
ちなみに話はずいぶんそれますが、少し衝撃的な未来のお話をしましょう。現在「細菌株の移植」という研究がされていて、歯を磨かなくてプラークがべっとりとついていても、虫歯や歯周病にならない時代が来ると考えられています。すなわち虫歯、歯周病が絶滅するかもしれない研究が本気ですすめられています。お口の中の細菌を病原性の低い細菌ばかりで構成し、プラークを弱毒化しようという試みです。予想では2050年くらいとのことなのですが、成功すれば歯科医療史上最大のイノベーションとなるでしょう。まあ将来のイノベーションを予想するのは難しいので、本当にそうなるかは2050年になってみないとわかりませんが。すると2050年までは予防でプラーク、歯石をとるしかなさそうです。予防が現在できる最高の歯科医療だと考えます。削って詰める治療、神経をとる治療はなるべくしないようにしたいものです。

歯科衛生士による予防コンサル

当院でも、7名の歯科衛生士が欧米と同じく、担当制で患者さんの歯をメンテナンスしております。毎回同じ顔の歯科衛生士が見ますので、腫れている場所や汚れている場所を毎回チェックできます。時間をかけて丁寧に細菌検査やプラークの赤染、雑談などフレンドリーに対応しております。横浜近郊で、歳を取っても自分の歯で食事をしたいとお考えの方、当院へいらっしゃってみませんか?大きな入れ歯を入れている方でも、残りの歯を守ることはできます。もう遅いということはありません。当院に通えない遠方の方も、お近くの予防に力を入れている歯医者さんにいきましょう。歯科衛生士があなたの歯を守ってくれるはずです。さあ、いかがでしたでしょうか?前編と後編の記事をご覧になって歯科医療に対する常識はアップデートできたでしょうか?削って詰める治療から、プラークをとる予防にあなたの考えは変わりましたでしょうか?
この記事を通して、予防の大切さをご理解いただけましたでしょうか。定期的に歯医者さんへ行くことをおすすめします。インプラントを入れた方も同様でインプラント周囲炎を防ぐために歯のクリーニングを行うことが大事です。インプラントを入れても歯医者さんへ通えていない方、当院では他院で入れたインプラントのメンテナンスも行っております。インプラント周囲炎のお話についてはこちらからご覧ください。お口の中のお悩みなど、当院へご相談ください。お待ちしております。
また、今回前編と後編と紹介させていただいた内容に関する動画も当院YouTubeで公開しておりますので、ご興味がありましたら、こちらよりご覧ください。

記事監修者

戸塚駅前内藤歯科 院長 内藤克仁

医療法人社団横浜歯友会

戸塚駅前内藤歯科 院長
内藤克仁(ないとうかつひと)

平成18年に横浜市戸塚区にて内藤歯科を開業。
令和3年より戸塚駅前内藤歯科を開業し、ストローマン社製インプラントを専門に歯科治療を行っています。
患者様に寄り添った治療を心掛けています。