抜歯即時インプラント手術のできる症例とできない症例
- 2022年10月3日
- インプラント
今回は抜歯即時インプラント手術のできる症例とできない症例をご紹介していきたいと思います。
右上一番の抜歯即時インプラントの症例です。
インプラント治療終了3年後、定期検診での様子になります。腫れ緩みなどございません。違和感もなく経過しているとのことです。後ろから鏡で見ますと、真ん中にレジンで詰めた穴が開いているのがわかると思います。この穴が表側に出てしまうと前歯の見た目がよくないので手術の時にもそこは計算に入れて少し内側に打っていくということになります。
穴はレジンで埋めますので、舌触り、噛み合わせ非常に良好です。
抜歯即時インプラントができる症例とできない症例の違い
ざっくりと言ってしまえば、歯を抜いた穴(骨に開いてる穴)はインプラントよりも小さければ抜歯即時インプラントの対象です。
例えばこちらのように非常に大きい場合です。インプラントが中で固定ができない、遊んでしまうような大きな穴の場合には抜歯即時インプラントができないということができます。
こちらの穴はインプラントが途中で止まりますのでもう少しドリルで穴を掘ってあげないといけないわけです。そうするとここに入れたインプラントはその骨によって支持されますので安定します。このような小さな穴の場合には抜歯即時インプラントOKですが、裂開が激しくて穴も非常に広がってしまっているというような場合にはインプラントの固定ができないために抜歯即時インプラント対象外ということになります。半年待ってからもう一度再手術ということになります。
下の奥歯のお話をしていきます。
下の奥歯はこのように二又に分かれてる歯があります。その二又の歯を抜けば骨には二又の穴が開きます。このような場合にはどちらが有利な穴を見てから選んで穴をドリルで開けてインプラントをおいてくれば抜歯即時が可能だという場合もあります。
また同じ奥歯でも二又なんですがこのようにくっついているタイプもあるんです。特に7番とかは意外とくっついている場合が多くて、抜いたら大きな穴があくわけです。
インプラントと比較してみるとかなり歯というのは大臼歯のが大きいですから、これを抜いてインプラントを入れるというのは中々難しいです。固定ができないので。抜歯即時インプラント対象外になってしまうこともあります。また当たり前の話なんですが健康な歯を抜くことはありえないわけで多くは感染を起こして抜くということになるわけです。
例えば、このように歯に破折線が入ってしまって、お口の中のバイ菌が破折線に従ってこの中に入り、ここで感染を起こし、感染を起こすとその部分の骨が溶けてしまうんです。
または根っこの治療がなかなかうまくいかなくて、この辺りに歯根膿瘍という膿だまりを作ってしまうと、その部分の骨も溶けている場所になります。歯根膿瘍などはもっと大きな症例というのは普通にありますので、感染の病巣が大きければ大きい程骨の融解が激しく、抜歯即時には不利になっていくということになるんですね。
最後に上の奥歯のお話です。
例えば左上6番を抜歯したとして三又になっていますので骨も三又の穴が開きます。
どこの穴を狙うかまたは真ん中を狙うか一番有利な場所を選んでいきます。このあたりは歯科医師の判断になると思います。ただしこのような綺麗な穴ばかり手術するということはありえないので長期化した感染巣は骨の融解というのが激しくなってたりもします。インプラントを抜歯即時でやるのかやらないのか、どこの穴にやるのかこのあたりは歯科医師の判断になっていくと思います。
抜歯即時インプラントのまとめ
(1)術前にレントゲンやCTの検査をして抜歯即時ができるのは何割ぐらいですよと説明はしますが抜歯即時をやるやらないの最終判断は抜歯した後になります
(2)抜歯即時インプラントは治療期間を10ヶ月から3ヶ月程度に短縮できるメリットがあるので骨の支持がある場合には積極的に行いましょう。
(3)骨の支持がない場合には半年待ってから手術をしましょう。
インプラント手術はあくまでも抜歯後の選択肢の1つです。患者様のお口の状態により最適な治療法をご提案します。抜歯後の治療でお悩みの方、インプラントを検討されている方、セカンドオピニオンをお探しの方、一度横浜にある横浜歯友会 戸塚駅前内藤歯科へ相談にいらしてみませんか?ゆっくりとお話を伺います。当院のYouTubeで実際に行われているインプラントの手術や患者様の感想などをまとめた動画をこちらで公開しております。また、抜歯即時に関する詳細情報を当院HP内でも記載しておりますので、こちらからご覧ください。