引越しをした場合のインプラントメンテナンスはどうしたら良いか?
- 2024年10月28日
- インプラント
インプラントは「一度治療して終わり」というものではなく、長期にわたるメンテナンスが非常に重要です。横浜以外の地域に引越しなどで生活環境が大きく変わった場合、インプラントのメンテナンスが適切に継続できるかどうかが、インプラントの長期的な成功に大きく影響します。引越し先でも、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。インプラントのメンテナンスは、患者様の口腔内の状態やライフスタイルに応じて異なります。通常、歯科医師による診断に基づき、3ヶ月から6ヶ月に一度のメンテナンスが推奨されますが、具体的な頻度については、かかりつけの歯科医師とご相談の上で決定されます。メンテナンス代については医院によって違いますので、ご自身で確認をして下さい。
1.インプラントメンテナンスの重要性
インプラントは自然歯と同様に、日常的なケアと定期的なメンテナンスが必要です。インプラント治療においては、インプラント周囲炎の予防が重要です。しかしメンテナンス(プラーク除去)を怠ると、インプラント周囲炎という感染症が発生し、インプラントの寿命が短くなってしまうリスクがあります。このため、定期的なメンテナンスは、インプラントの健康を維持し、長期間にわたって機能させるために不可欠です。インプラントは天然歯よりプラークに弱いです。インプラントを入れたら細菌との追いかけっこになります。
(1)インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に炎症が生じる病気です。歯における歯周病のようなものです。はじめはインプラント周囲の歯肉の炎症からはじまり、放っておくとインプラントを支持する支持骨が融解して、末期にはインプラントが抜けてきてしまう病気です。インプラント周囲炎を引き起こす細菌種、歯周病を引き起こす細菌種はほぼ同じと考えられています。数十種類ある歯周病菌の中でも特にレッドコンプレックスと言われるPG菌、TD菌、TF菌の関与が大きいと言われています。当院では術前にレッドコンプレックスのPCR検査を行い、必要に応じて除菌を行っていますが、継続的なケアが重要です。インプラントを挿入した後は、適切な口腔衛生と定期的な歯科医院でのクリーニングにより、プラークを停滞させないようにすることで、インプラントの健康を維持する助けとなります。
(2)定期的なメンテナンスの役割
インプラントの定期メンテナンスでは、歯科医師や歯科衛生士がインプラントの周囲の清掃を行い、歯石やプラークの除去、歯肉の健康状態のチェック、インプラントと骨の結合状態を確認します。歯やインプラントの周囲にはプラークという細菌の集合体が付着してきます。風呂垢と同じ構造様式を持っており、なかなか取るのが難しいです。プラークは時間の経過とともに成熟して毒性を増大させます。ついたらすぐに取りたいものです。インプラントのメンテナンスの頻度は、患者様の口腔内の状態により異なりますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月に一度のメンテナンスが推奨されています。具体的な頻度については、歯科医師とご相談の上で決定します。また、定期的なフォローアップやプロフェッショナルクリーニングがしっかり行われているかを確認しましょう。また、早期にインプラント周囲炎の兆候を発見し、必要な治療を施すことができます。したがって、メンテナンスはインプラントの長期的な成功に欠かせません。
2.引越し後のインプラントメンテナンスの課題
引越しをすると、かかりつけの歯科医院に通うことが難しくなり、新しい地域で信頼できる歯科医院を見つける必要があります。この移行がスムーズに行われないと、インプラントのメンテナンスが疎かになり、トラブルが発生するリスクが高まります。以下では、引越し後にインプラントのメンテナンスを適切に続けるためのステップを紹介します。
3.引越し前に行うべき準備 インプラントパスポート
引越し前にできるだけ準備をしておくことが、スムーズな移行のために重要です。当院では全員の患者さんにインプラントパスポートを渡しており、引越し先の歯医者さんに、「内藤歯科ではストローマン社製のインプラントを入れました。サイズはこのサイズです。何かあったら当院に連絡をいただき連携して治療に取り組みましょう。」と言う情報が書かれたカードをお渡ししております。紛失しないようにしてください。(紛失しても情報の提供は可能です。)
(1) かかりつけの歯科医との連携
引越しを予定している場合、まずは当院にその旨を伝えください。場合によっては同じインプラントスタディグループ(CISJ)に所属している歯科医師、専門医や指導医を紹介いたします。これは、新しい地域での歯科医院にスムーズに引き継ぐためです。
- 使用されているインプラントの種類やメーカー、サイズ
- レントゲン画像のコピー
- インプラント周囲の現在の骨の状態の記載
これらの情報をまとめた書類を引越し先に持参することで、新しい歯科医師が迅速に適切なケアを提供できるようになりますので、お引越しの際にはお申し出ください。
(2)当院からお引越し先への紹介先が見つからない場合
引越し先に内藤の知り合いの先生もしくは同じインプラント学会所属の先生が見つからない場合、残念ながらご自身で探していただくようになります。幸いストローマン社製のインプラントは、広く使用されているインプラントメーカーで、多くの歯科医院で採用されています。HPで検索していただくと、比較的スムーズに見つけることができると思います。数医院探して引き継ぎが可能かどうか確認してからかかるとよろしいかと思います。(横浜を中心に、関東圏には紹介先は多いのですが、九州や四国、北海道の先生との連絡網が弱いです。)
(3) 問題が発生した場合はすぐに相談する
もし、引越し後にインプラント周囲に違和感や痛みを感じた場合は、引き継ぎ先の歯科医院に相談しましょう。インプラント周囲炎の初期段階であれば、早期治療によって問題を解決できる可能性が高く、インプラントの長期的な健康を保つことができます。それでも解決できない場合は、当院にご相談ください。場合によっては引き継ぎ先の歯科医師と協力し、適切な対応を行います。
横浜近郊でインプラントをご検討されている方、横浜歯友会 戸塚駅前内藤歯科へご相談ください。セカンドオピニオンも受け付けております。インプラントの治療期間と流れについてはこちらをご覧ください。