前歯のインプラントが難しい理由|横浜市でインプラントのご相談は戸塚駅前内藤歯科

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前歯のインプラントが難しい理由|横浜市でインプラントのご相談は戸塚駅前内藤歯科

前歯のインプラントが難しい理由

前歯のインプラント

前歯のインプラントと奥歯のインプラントはどちらが難しいのでしょうか?一概には言えません。骨があればインプラントの手術は比較的容易ですが、骨がなければ増骨手術をして骨を作ってからインプラントを入れるか、他の選択肢を考えるかというように難易度が上がります。しかし前歯には奥歯にはない難しさがありまして、骨が同程度という条件ならば、前歯の方が難しいと言って良いかと思います。その奥歯にはない難しさとは見た目です。奥歯は大きさや色が多少ずれて見た目が悪くなったとしても、機能的に問題がなく患者さんも気にされなければ合格です。奥歯の歯の長さが左右ずれても、しっかりと噛めれば、見た目を気にする方はあまりいらっしゃいません。それに対して前歯は噛む機能以外に、見た目問題が発生する場合が多く、その見た目にこだわればこだわるほど難易度は上がります。つまり前歯と奥歯のインプラント難易度の決定的な差は審美面が全く異なるということになります。

1. 解剖学的な難しさ

前歯部は解剖学的に顎の中で薄い骨に囲まれている場合が多い場所です。特に上顎の前歯部では骨の厚みが限られています。インプラントを埋入する際に十分な骨量がないと、インプラントを安定させるのが難しくなります。歯が失われると外側(頰側)の骨吸収が進行するため、特に前歯部ではインプラントを埋入する際に骨移植が必要となる場合が多いです。

前歯においてインプラントのアクセスホールがどの部位に出るかは、インプラント埋入時の角度に大きく左右されます。患者様の骨の量との歯科医師の術前のシミュレーション、手術の技量が大きく物を言う世界です。前歯のインプラントは、骨の量だけでなく見た目のバランスを考慮する必要があります。そのため、治療計画や技術の精度が特に重要となります。

2. 美的要求の高さ

前歯のインプラントの唇をかぶせた状態

前歯は審美性が大切です。奥歯にはこの難しさはあまりありません。人と話したり笑ったりする際に前歯は目立つ部分であるため、インプラントによる修復が自然で美しい外観を持つことが求められます。しかし、前歯の審美性を保つためには、単にインプラントを埋入するだけでは不十分な場合が多いです。前歯のインプラントは、しっかり噛めることに加えて、自然な見た目を大切にすることが大切です。そのため、骨の状態や歯肉のバランスによっては、追加の処置が必要になる場合があります。

特にインプラント周囲の歯肉は、歯の美しさに大きく影響します。インプラントが歯肉の中にうまく埋入されないと、歯肉が凹んだり不自然な形状になってしまうことがあります。また、前歯部の歯肉は後方の歯に比べて薄く、インプラントが適切に機能するためには歯肉の状態を最適に保つことが求められます。骨を増やす手術だけではなく、歯肉を増やす手術もあるくらいでして、歯間乳頭を作る手術や歯肉の厚みを増やす手術により歯以外の粘膜の形態を作ってから歯を入れることも行います。

審美面で影響するのが、唇のつき方です。笑った時に歯が見える方とあまり見えない方がいます。
次に難しいのは、天然歯の色の癖の強い方に1本だけインプラントを入れる場合です。天然歯の色が縞模様だったり、歯軋りで形が特別に癖がある形態だったり、個性豊かな天然歯の隣に、インプラントを入れる場合には、歯の色や形態を周囲の天然歯に溶け込ませるために、ジルコニア人工歯の表面に着色剤であるポーセレンを付加するなどさまざまな工夫が必要になります。

3. インプラントの角度と位置

前歯部のインプラントでは、適切な角度と位置が重要です。インプラントが正しい角度で埋入されていない場合、最終的な歯の位置がずれてしまい、噛み合わせや審美性に悪影響を及ぼします。特に前歯部では、インプラントの位置が2度、3度にずれるだけでも、歯が前後に傾いたり、隣の歯と均一なラインにならなかったりすることがあります。異物感にも繋がります。

さらに、前歯部ではインプラント体の直径や長さにも制約があります。上顎の前歯部は骨の厚みが少ないため、通常よりも細いインプラント体を使用する必要がある場合がありますが、それによってインプラントの安定性が損なわれるリスクもあります。

4. 骨吸収と骨移植

前歯のインプラント治療では、骨吸収が非常に重要な問題です。歯が失われた後、特に前歯部では急速に骨が失われやすく、インプラントを支える十分な骨がない場合、治療が難しくなります。インプラント治療を行う前に骨移植が必要となるケースも多く、その場合は治療期間が延びるだけでなく、成功率にも影響を与えることがあります。

骨移植を行う場合、患者自身の骨を使用する自家骨移植や、人工骨を使用する場合がありますが、どちらの方法でも完全に骨が再生するまで時間がかかります。また、骨移植の成功には患者の全身状態や生活習慣も大きく関わるため、十分なカウンセリングと治療計画が必要です。ブロックで自家骨を持ってくる場合は術後の痛みを伴うことも少なくなく、見た目はこだわればこだわるほどハードルが上がります。

5. 技術的な制約

前歯部のインプラントは技術的にも高度なスキルを要求します。前述したように、審美性と機能性を両立させるためには、経験豊富な歯科医師が慎重に計画を立て、適切な技術を駆使する必要があります。たとえば、ガイドサージェリーと呼ばれる技術を使用することで、インプラントを正確な位置に埋入することが可能になりますが、この技術にも高度なトレーニングが必要です。

さらに、前歯部のインプラントでは、周囲の天然歯や補綴物との調和が求められるため、最終的なクラウン(人工歯)の形状や色調を非常に細かく調整する必要があります。特にセラミッククラウンの製作には高度な技術が必要であり、技工士との密な連携も不可欠です。院内技工室に院内技工士が常駐しておりますので、何か不具合がございましたら、院内技工士および歯科医師立ち会いのもと、調整を行うことができます。

6. 患者の期待と心理的要因

前歯は審美的にも心理的にも重要な部位です。多くの患者が前歯のインプラントに対して非常に高い期待を持っていますが、その期待に応えるためには、歯科医師は患者の希望や不安をしっかりと把握し、適切なカウンセリングを行うことが重要です。また、前歯部のインプラント治療には複数のステージがあり、それぞれに時間がかかるため、患者の忍耐が必要です。

まとめ

前歯のインプラントが難しい理由は、解剖学的な制約、美的要求の高さ、技術的な複雑さ、そして骨吸収や患者の心理的要因など、多岐にわたります。特に、前歯部のインプラント治療では、審美性と機能性を両立させることが求められ、歯科医師の技術力や治療計画の精度が成功の鍵となります。患者とのコミュニケーションを密に行い、治療に対する期待をしっかりと理解した上で、適切な対応が必要です。
当院で行っているインプラントの症例をHPに掲載しておりますのでご覧ください。横浜近郊でインプラントをご検討の方は、医療法人社団横浜歯友会 戸塚駅前内藤歯科へご相談ください。セカンドオピニオンも承っておりますので、お気軽にお問合せください。ご予約はWEBでも承っております。

記事監修者

戸塚駅前内藤歯科 院長 内藤克仁

医療法人社団横浜歯友会

戸塚駅前内藤歯科 院長
内藤克仁(ないとうかつひと)

平成18年に横浜市戸塚区にて内藤歯科を開業。
令和3年より戸塚駅前内藤歯科を開業し、ストローマン社製インプラントを専門に歯科治療を行っています。
患者様に寄り添った治療を心掛けています。