インプラントとMRIについて
- 2022年1月24日
- インプラント
MRIインプラントを検討されている患者様からMRIについてお問い合わせをいただくことがあるので、今回はそのご質問にお答えしていこうと思います。
<患者様からのご質問>
インプラントをすると、MRIは受けられなくなるのでしょうか?
<結論>
歯のインプラントをしてもMRI検査は受けられます。
歯のインプラントは、チタンという金属でできており、MRIの磁力に反応しない「非磁性体(磁石にくっつかない)」です。それに対し、鉄などの磁石に吸引される金属を「磁性体」といいます。磁性体を身につけたままMRI検査を行うと、検査データが大きく乱れてしまったり、MRIの強力な磁力の影響で磁性体が発熱し、やけどのリスクがあるといった問題があります。非磁性体であるチタンの歯科インプラントでは、そのような問題は起こらず、MRI検査への影響はありません。
当院で行うインプラントは人工歯根だけでなく、ジルコニア製の上部構造、入れ歯を固定する器具(ロケーター)も含め、MRIに影響のない素材を使用しております。あまり一般的ではありませんが、人工歯根に磁石付きの入れ歯を装着するという治療法もありますので、その場合はMRI検査の前に入れ歯を外しておく必要があります。ご心配でしたら、かかりつけ医にご相談ください。ほとんどのクリニックでは、MRIに影響のないインプラント治療だけをっております。
では「インプラントをするとMRI検査ができないのか」というのは間違った情報なのでしょうか?
実は必ずしも間違いとは言い切れません。その理由を理解するためにはインプラントという用語を知る必要があります。イン・プラントとは、im=inは中にという意味で、plant=植物などを植えるという意味ですが、implantとは2つを合わせた造語です。
インプラントとはいろいろあり、心臓のペースメーカー、人工関節、美容成形の目的で体内に埋め込むシリコン材料等は、いずれもインプラントです。インプラントとは体内に埋め込む人工物の総称のことです。歯が無くなった場合に、顎骨に埋め込む人工歯根もインプラントの一種であり、正確には歯科インプラント(デンタルインプラント)と呼称されています。しかし、一般的には、歯科インプラントの意味で「インプラント」という言葉が用いられることが多いのです。例えば、心臓ペースメーカーはMRIの強力な磁場によって破壊されることがあるため、検査を受けることができません。医療全般の広い意味でのインプラントの中にはMRI検査を受けられないものもあるということになります。病院や脳ドックなどでMRI検査を行う際に「インプラントは入っていますか?」と聞かれることがありますが、ここで聞かれている「インプラント」とは心臓ペースメーカーなど、MRIにより悪影響があるもののことをいっています。歯科インプラントはMRI検査には問題となりませんので、ご安心いただきたいと思います。「自分のインプラントは大丈夫だろうか?」「かなり前に入れたインプラントだから種類を忘れてしまった」という方は、かかりつけの歯医者さんへ相談してみてください。横浜周辺でインプラントをご検討されている方、不安なことなどありましたら、当院へご相談ください。ゆっくりとお話を伺います。